REPORTS

宗教を超える、トレンドカルチャー【韓国トレンドレポート6月】

ソウル国際仏教博覧会は、来場者数が25万人を記録し、驚くべきことに20~30代の若年層が73%、無宗教の来場者が48%を占め、今年も大盛況を見せました。この爆発的な反響と混雑ぶりを踏まえ、運営側は早くも来年の会場規模を2倍に拡大する方針を打ち出しています。本記事では、止まらない韓国の仏教トレンドに迫ります!

画像① 「都会の仏様」

仏教の話題性

2024年時点で13万人だったソウル国際仏教博覧会の来場者数は、わずか2年で25万人へと増加しました。このムーブメントは、単なる動員数の数字に留まりません。博覧会に出展したライフスタイルブランド「BHAVANTU」は、会場で完売が相次いだ結果、購入できなかった人々がオンラインに殺到。博覧会期間中、韓国最大のメッセンジャーアプリ「カカオトーク」のギフト機能において、急上昇人気キーワードランキング1位を獲得するほどの社会現象を巻き起こしました。また、仏教用品ブランド「Nirvana」のブースに展示された「都会の仏様」(画像①)と題された仏像は、その洗練された佇まいがSNSで「クールだ!」と瞬く間に拡散され、大きな話題を呼んでいます。勢いは博覧会の外へも波及しており、お釈迦様の誕生日を記念して街を彩る伝統行事「燃灯会(ヨンドゥンフェ)」でも、過去最多となる約50万人が参加するなど、仏教がファッションに取り入れられたり、多様な広がりを見せているのです!

画像② 解脱カンパニーお坊さんズボン

ファッションのトレンドとなった仏教

今日では、仏教が宗教の枠を超えたカルチャーとしてトレンドになっています。現在、若者の間で仏教が受け入れられている理由は、大きく二つだと思います。一つは、「解脱」「衆生」「極楽」といった仏教用語をネタとして「楽しむ」方向性。そしてもう一つは、複雑な現実から一歩離れ、心の平穏を得るために瞑想やマインドフルネスを求めていることです。前者の「楽しむ」カルチャーを牽引するのが、ブランド「解脱カンパニー」です。太古宗の僧侶を父に持つ創業者(僧侶の娘)が、「仏教用語を言葉遊びに落とし込むと、人々から大きな反響が得られる」と気づいたことからブランドが始動しました。「悟る!」「黙言修行中」「仏教徒ではないが仏教は好きな人」といったウィットに富んだメッセージ入りのTシャツが瞬く間に人気を獲得。そして、今年発売されたデニム素材の「お坊さんズボン」は、1人1枚という購入制限を設けたにもかかわらず、即完売となるほどの熱狂を生んでいます(画像②)。

  • 画像③ BHAVANTU
 “SHUT UP AND MEDITATE” パーカー

  • 画像④ BHAVANTU MUSINSA POP-UP Store

信仰に関わらず、お坊さん風のズボンを履き、経文シールを貼り、木魚のチャームをカバンに付けて楽しむことがトレンドになっているのです。こうした広がりは、宗教用品が本来の目的を超え、若者の感性に響く「エモい消費財」へと転換している象徴とも言えます。一方、後者の「マインドフルネス」を体現するのが、ライフスタイルブランド「BHAVANTU(ババントゥ)」です。比丘尼(尼僧)の姪である代表が、仏教哲学をベースに、仏や蓮といった伝統的なモチーフを現代的なアパレルやグッズへと昇華(画像③)。その洗練されたデザインが支持を集め、近年では韓国を代表するファッションプラットフォーム「MUSINSA(ムシンサ)」でのポップアップストアも大成功を収めました(画像④)。

画像⑤ ソウル・清渓川に飾られた提灯

伝統行事も変わらず人気

こうしたカジュアルなトレンドの一方で、伝統行事も過去最大の盛り上がりを見せています。世界各地でお釈迦様の誕生日を祝う灯火行事が行われますが、その中でも韓国の「燃灯会(ヨンドゥンフェ)」はユネスコ無形文化遺産にも登録されている世界的な文化遺産です(画像⑤)。2026年の開催では、仏教団体や市民ら約5万人が参加。自作した10万個の灯籠を手に大規模なパレードを行い、ソウルの夜を幻想的に照らしました。

  • 画像⑥ 慧眼

  • 画像⑦ 迦悲

若者の参加も増え、ロボット僧侶も

現代の韓国仏教の進化は、若者の間だけに留まりません。人間以外にも「お坊さん」が誕生しているのを、皆さんはご存知でしょうか?実は今年の燃灯会の行列には、最先端の「ロボット」たちも同行したのです!東国(トングク)大学が開発したAIロボット「慧眼(ヒェアン)」(画像⑥)や、なんと実際に僧侶として受戒(仏教徒としての戒律を授かること)を受けたヒューマノイドロボット「迦悲(ガビ)」など、計4台のロボットが袈裟を身にまとってパレードに登場(画像⑦)。伝統とハイテクが融合した驚きの光景は、沿道の人々の視線を釘付けにしました。このハイテクな盛り上がりを支えているのは、やはりデジタルネイティブな若者たちです。 仏教系の東国大学で最も歴史のある仏教サークル「テンプルアップル」は、会員数が昨年の約400人から今年は約600人へと急拡大。同サークルをはじめ、首都圏の約30大学から約800人もの学生が今年の燃灯会に集結し、韓国大学生仏教連合会が予想していた参加人数の500人を大幅に上回る熱気を見せました。
ロボットの参加や若者の急増など、仏教への関心は全方位で高まり続けています。僧侶を志す人は依然として少ないものの、最大宗派の曹渓宗(ジョゲジョン)が運営する「1ヶ月間の短期出家学校」からは、実際に数名の出家者が誕生して話題を呼んでいます。大人気の「テンプルステイ」に続き、この「短期出家」も新たなブームを巻き起こすのか、仏教がこれからもブームとして広がっていくのかなど、今後の動向から目が離せません!

引用元

画像① https://www.instagram.com/p/DWtneFij9O3/
画像② https://www.instagram.com/p/DWjrWI8E82y/
画像③ https://www.instagram.com/p/DQ3GYz3gWVY/
画像④ https://www.instagram.com/p/DYgdSPngQS4/
画像⑤ https://www.instagram.com/p/DYReWHsjOwE/
画像⑥⑦ https://www.ibulgyo.com/news/articleView.html?idxno=438399