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都市を踊らせる 新しいウェルネストレンド【タイトレンドレポート7月】

タイでは、ジョギングやランニングと同様に、エアロビクスダンスも以前から親しまれてきました。今年に入ってから公園でのエアロビクスダンスが再び大きなブームとなり、仕事や学校帰りに多くの人が参加する姿を見かけることが増加!この人気は首都バンコクだけでなく地方都市にも広がっており、新たな健康・コミュニティ活動として注目を集めています。本記事では、その人気の背景と魅力についてご紹介します。

画像① ルンピニー公園ラーマ6世像

バンコク市内の日常エクササイズ

ルンピニー公園のラーマ6世像近くにある広場(画像①)で行われているエアロビクスは、決して新しいものではありません。この場所でのエアロビクス活動は長い歴史を持ち、20年以上、あるいは30年以上続いているとも言われています。バンコク市内のさまざまな公園で、こうしたグループエクササイズは日常的に行われてきました。
例えば、ロムマニナート公園やワチラベンチャタート公園(通称「鉄道公園」)など、多くの公共空間でエアロビクスは親しまれてきました。
また、一部のショッピングモール前の広場でも、人々が自然と集まり、一緒に体を動かす姿が見られます。特別な準備や事前予約は必要なく、参加したいという気持ちさえあれば誰でも加わることができます!
こうした活動では、ボランティアのインストラクターがリーダーとなって、参加者を導いてくれます。誰でも取り組める簡単なステップから始まり、徐々に複雑な動きへと発展していくため、初心者から経験者まで幅広く楽しむことができるのです。

話題の「ルンピニー公園エアロビクス」

近年、「ルンピニー公園エアロビクス」は大きな注目を集め、バンコクで話題のトレンドとなっています。この人気はどのようにして生まれたのでしょうか。その背景には、都市部で高まる健康志向、ソーシャルメディアによる情報拡散、そして世界的アーティストによる発信や支持といった複数の要因が考えられます。これらが相乗効果を生み出し、バンコクを代表する歴史ある公共空間への関心と利用を大きく押し上げることになっているようです!
次の章では、この現象が生まれた背景について、トレンドや消費者行動の視点から読み解いていきます。

ソーシャルメディアと「Taeyong Effect」の影響

ルンピニー公園で巻き起こったエアロビクスブームは、一過性のブームだけに収まりませんでした。タイを拠点とする東南アジア最大級のソーシャルメディアデータ分析・マーケティングリサーチ最大手企業「wisesight(ワイズサイト)(画像②)」が提供するソーシャルリスニングツール「Zocial Eye」によると、2026年1月1日から4月2日までの期間中、エアロビクス関連ハッシュタグの総エンゲージメント数は980万件を突破しました。この大きな盛り上がりの起爆剤となったのが、いわゆる「テヨン効果(Taeyong Effect)」とされるものです。
世界的な人気を誇る韓国のボーイズグループ「NCT」のリーダーであり、ラッパー、そしてメインダンサーであるテヨン(Taeyong)がルンピニー公園を訪れ、実際にエアロビクスへ飛び入り参加。「とても楽しい運動で、振り付けもやりがいがあった」などとコメントしたことで、一気に大きな注目を集めたのです!

  • 画像② ワイズサイト

また、関連ハッシュタグの動向をプラットフォーム別に見ると、投稿件数ベースではX(旧Twitter)が全体の44%を占めていました。一方で、エンゲージメント数ではTikTokが約380万件と圧倒的な存在感を示し、Facebookが約260万件、Instagramが約250万件、その他のプラットフォームが約80万件という結果になりました。
この結果には、現代の消費者行動において、ショート動画コンテンツがいかに高い拡散力と共感を生み出すメディアとして機能しているかが表れています。また、影響力のある著名人による体験がシェアされることで、オンライン上の話題作りに留まらず、実際に人々の行動を変え、参加意欲の向上にも繋がっているのです。

  • 画像③ ルンピニー公園

  • 画像④ ルンピニー公園でのONEPIECEプロモイベント

公共空間から新時代のイベントハブへ

ルンピニー公園(画像③)は、単なる健康促進の場としてだけではなく、多様なライフスタイルを受け入れる公共空間として、その可能性も多岐にわたります。その一例が、2026年3月に開催されたNetflix「ONE PIECE」のプロモーションイベント(画像④)です。このイベントはオンライン上で約112万件のエンゲージメントを獲得し、大きな話題となりました。
こうした事例から見えてくるのは、公共空間が単なる憩いの場にとどまらず、ブランドがトレンドと接点を持ちながらコミュニティを育み、若年層とのエンゲージメントを深めるための有力なプラットフォームへと進化していることです。
また、都市空間そのものがマーケティング活動や体験価値を創出する場として、新たな役割を担い始めていることもわかります。

都市生活者の「緑」と新しいウェルネス体験へのニーズ

ルンピニー公園の賑わいは、都市生活者が緑豊かな自然の空間を求め、日々のストレスや都会の喧騒から離れたいと考えるトレンドとも重なっています。近年の健康づくりは、単にジムで黙々とトレーニングを行うことだけを指すのではありません。エアロビクスのように、人々が集まり、交流しながら楽しめる「コミュニティ型アクティビティ」への関心が高まっています。
その魅力を支えている要素の一つが音楽です。アップテンポなダンスミュージックをはじめとした、T-POP(タイポップ)やK-POPのヒット曲、さらにはリミックス楽曲まで、多彩なプレイリストが用意されており、世代を超えた参加者をつなぐ共通言語となっているのです。音楽に合わせて体を動かし、楽しさを共有することで、参加者は身体的な健康の増進だけでなく、人とのつながりやコミュニティの一員であるという実感を得られます。公園でのエアロビクスは、心身の健康と社会的なつながりの双方を満たす、新しい「都市型ウェルネス」の形として注目を集めているようです。

癒やし系コンテンツ、SNSで高いエンゲージメントを獲得

身体的な健康だけでなく、「メンタルウェルビーイング」への関心の高まりも、ソーシャルメディア上で大きなエンゲージメントを生み出す重要な要因となっています。最近では、自然の魅力や日常の穏やかな瞬間を切り取った「癒やし系コンテンツ」の発信が増えています。例えば、公園内の美しい風景写真や、「ルンピニー公園の猫」として親しまれる地域猫たちの日常を捉えた投稿、さらにはペットを連れて散歩することでリラックスする飼い主たちの様子などが人気を集めています。こうしたコンテンツは、忙しい都市生活の中で安らぎや共感を求める消費者心理と強く結びついており、公共空間が人々の心を満たす場としても重要な役割を果たしていることを示しています。
このように、ルンピニー公園でのエアロビクスブームは、単なる青空フィットネスの流行ではありません。その背景には、健康志向の高まりはもちろん、観光、都市ブランディング、コミュニティ形成、さらには現代人のライフスタイルや文化の変化といった、多様なトレンドが反映されています。また、このムーブメントはルンピニー公園だけに限られた現象ではなく、バンコク市内の他の公園や地方都市へも広がりを見せています。実際に、筆者の出身地でも新たなエアロビクススペースが設けられるなど、その広がりを肌で直に感じています。

タイでは現在、健康やウェルネスへの関心がこれまで以上に高まっています。今後、この流れからどのような新しいライフスタイルトレンドや消費行動が生まれていくのでしょうか。引き続き注目していきたいと思います。

引用元

画像②:https://wisesight.com/
画像③:https://thai.tourismthailand.org/Attraction/สวนลุมพินี
画像④:https://www.youtube.com/watch?v=V2PNobIOINc

参考
https://thestandard.co/life/aerobic-lumphini-park-dance-content/
https://www.facebook.com/thestandardth/posts/มาสวนลุมไม่ต้องตกใจ-หากพบคนไทยจำนวนมากเต้นแอโรบิกวันนี้-26-มีนาคม-ช่างภาพข่าว-th/1296546079271399/
https://marketeeronline.co/archives/462951
https://thestandard.co/lumphini-park-aerobic-dance-trend/