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新しいCIやスローガンは、発表された瞬間から社内外の人々に受け取られ、解釈され、語られ始めます。そのローンチをどのように設計するかは、リブランディングの成否を大きく左右します。ロゴやスローガンには、企業の歴史、創業者の想い、働く人の姿勢、未来に向けた意志が込められています。しかし、それらは抽象度が高く、説明だけでは伝わりにくいものでもあります。
そこで有効になるのが、コンセプトムービーです。コンセプトムービーは、完成したロゴを紹介するためだけの映像ではありません。新しいスローガンとロゴに込めた想いやコンセプトを、映像の流れ、構図、色、動き、音、余白へ翻訳し、見る人がブランドを体感できる状態にするための装置です。つまり、コンセプトムービーは、CIやスローガンの後に開発する周辺コンテンツではなく、リブランディングの意味を届け、価値を高めるために、CI、スローガンとセットで開発すべきブランドアイテムなのです。静止したアイデンティティをデジタル上で動く体験へと広げることで、頭で理解するだけではなく、心に共感させる役割を担うのです。挑戦を表すなら、どのような動きがふさわしいのか。誠実さを伝えるなら、どのような間やトーンが必要なのか。多様な人が一つの企業を形作ることを伝えるなら、どのような構成や変化が自然なのか。こうした問いに向き合うことで、コンセプトムービーは単なるビジュアル表現ではなく、ブランドの思想を体験するメディアになります。
M社は、国内有数のアパレルOEM企業です。アジア5カ国に工場を持ち、年間約5000万枚を超える洋服を縫製しています。ブラビスは、同社の企業価値のさらなる向上を目的に、ブランドの再定義からスローガン開発、ビジュアルアイデンティティ構築、社内外への浸透施策まで、一貫して支援しました。
今回のプロジェクトで開発されたコーポレートスローガンには、「服づくりを通じて顧客の“できる”を支え、生活者の“できる”を増やし、社員一人ひとりが自ら考え行動し“できること”を広げていく」という志が込められています。また、4つのブロックで“M”を構成した新ロゴは、世界各地で活躍する多彩な人材が、個性や強みを発揮しながら、M社の頭文字である「M」を形作っていく様子を表現したものです。右側の縦ラインはあえて短く未完成の形状とし、これからも成長と進化を続け、完成を目指して挑戦し続ける企業でありたいという意志を示しています。
ブラビスでは、この新コーポレートスローガンとロゴを用いたコンセプトムービーも開発しました。特徴的なのは、スローガンやロゴに込めた想いを、テキストやナレーションに頼らず、新ロゴのエレメントを活用しながら、ストーリーを紡いでいった点です。それにより、M社がこれまでつくってきた”できる”と、これからの未来へ向かって変化していく期待感を、言語を超え、グローバルで感じ取ることができるようにしたのです。動き、演出を、その企業にとって唯一無二の個性に仕上げる。これこそが、Motion Identityという弊社独自の考えです。
リブランディングにおいて、社内浸透は非常に重要です。特に、拠点や職種、文化的背景が多様な企業では、同じブランドの方向性を共有するために、言語を越えて伝わる表現が求められます。もちろん、ブランドブックやガイドラインは必要です。しかし、それらは理解のための資料であり、感覚として残る体験とは別の役割を持ちます。コンセプトムービーは、その間をつなぐ存在です。ブランドの思想を、社員が直感的に受け取り、思い出し、語りやすくする。社内に向けてはブランド浸透の起点となり、社外に向けては企業の姿勢や世界観を伝えるコンテンツとなる。インナーブランディングとアウターブランディングを、同時に動かすことができるのです。
コーポレートサイト、ブランドムービー、採用サイト、SNS、展示会、社内イベント。企業と人が出会う接点の多くは、すでにデジタル上に広がっています。その中でブランドの個性を伝えるには、静的なデザインだけでは不十分になりつつあります。どのように現れるか。どのように動くか。どのようなテンポで展開するか。どのような余韻を残すか。こうした動的な要素まで設計することで、ブランドはより記憶に残るものになるのです。
CIやスローガンをつくることは、ブランディングの終着点ではありません。それらに込めた想いや歴史を、デジタル上でどのような体験に変換するか。そこまで設計して初めて、ブランドは人の中に浸透し、想起され、好感へとつながっていくのだと私たちは考えています。
ブラビスでは、戦略、クリエイティブ、デジタルを横断しながら、企業の志を体験として伝えるデジタルブランディングを支援しています。CIやスローガンを開発した後、それを社内外にどう浸透させるか。ブランドの世界観をムービーやWEB体験としてどう表現するか。そうした課題に対して、Motion Identityの視点から伴走していきます。